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砂丘桃とは
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砂丘桃の歴史
- 新潟県のほぼ中央、日本海側に位置する刈羽村。
村の西側には強い海風によって巻き上げられた砂がうずたかく積もり、私たちが「すなやま」と呼んでいる砂丘地が広がっています。
この砂丘地において、古くから栽培が続けられてきたのが「砂丘桃」です。
砂丘桃は、江戸時代末期に現刈羽村出身の塚田源太夫(つかだげんだゆう)が、行商先で桃の栽培には砂丘地が適することを知り、荒地を開墾して桃畑にしたのが始まりです。
明治時代の中頃からは刈羽村と柏崎市に連なる一体の砂丘地に桃園が拡大し、最盛期の大正時代には50ヘクタール、栽培農家数190戸に達し、刈羽村の一大産業となるまで成長しました。
しかし、昭和に入ると、油田開発や第二次世界大戦がもたらした食糧政策の影響により強制伐採されるなど、幾多の困難に直面しました。
それでも、地元の人々の強い気持ちは連綿と受け継がれ、砂丘桃は今日に至るまで栽培が続けられてきました。現在では正明寺(しょうみょうじ)集落が主な生産地となっています。 -
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「すなやま再生」の起爆剤 ぴあパークとうりんぼ オープン!
- 平成24年10月1日、刈羽村に新しい産業・観光複合施設がオープンしました。ぴあパークとうりんぼと名付けられたその施設は「農業生産」「加工物販」「飲食」「集客」の4つをコンセプトとしています。
私たちピーチビレッジ刈羽(株)は、施設の運営管理者として砂丘桃の栽培に着手しました。
桃栗3年、柿8年という言葉がありますが、砂丘地は通常の畑と比較して生育に時間がかかるため、砂丘桃の本格的な収穫が始まったのは平成30年からでした。 -
砂丘桃の甘さはまぼろし級!?
- 砂丘桃の特徴はなんといってもその甘さ(糖度の高さ)です。
「砂丘桃は甘い」
それは私たちにとって常識と言えるものでした。なぜなら、誰に聞いても「砂丘桃は甘いんだよ」と言うからです。でも、果たしてそれは本当なのか?
確かな証拠を求めて、私たちは昨年から、収穫した砂丘桃の糖度検査を始めました。
その結果、一般的な桃の糖度が13~15度とされるなか、とうりんぼ産の砂丘桃はその約半数が15度以上の糖度を示しました。また特に高いものでは、20度以上になるものもありました。
比較的糖度が低いとされる早生品種を含めた全体の平均糖度も14.9度と、15度を超えるまであと一歩のところであることが分かりました。
砂丘桃が甘くなるのは、降った雨水がすぐ地下に抜けて糖分が凝集するからとか、砂丘が太陽光を反射するからとか、太陽の熱が砂を温めるからだとか言われます。
しかし、実際のところ甘くなる理由はよく分かっていないというのが本音です。 -
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消滅の危機に直面する砂丘桃
- 刈羽村のシンボル的な存在である「砂丘桃」...しかし、今は過去最大といっても過言ではない危機に直面しています。生産者の高齢化が進み、栽培農家数が減少の一途を辿っているからです。
砂丘地であり更に傾斜地であることでの作業性の悪さが機械化の妨げとなっています。また、不安定な足場では梯子を使った作業が難しく、そのせいで樹高を高くすることができないため、一本あたりの収穫量が限られてしまいます。生業として成立させるためには広大な農地を管理する必要があり、個人農家としてやっていくには非常に大きな困難を伴います。
最盛期に200戸近くあった農家数は10分の1まで減少し、今まさに消滅の危機に直面しています。 -
とても甘くて美味しい砂丘桃を100年後の人々にも届けたい!
- とうりんぼ産砂丘桃の生産が軌道に乗ってくるにつれ、私たちはブランド化に向けた本格的な取り組みを始めました。一昨年(令和2年)のことです。
その頃にはもう、砂丘桃は「幻の桃」と呼ばれ始めていました。それは砂丘桃の最大の特徴である甘さを形容する言葉であると同時に、販売数が少なくすぐに売り切れてしまうことからそのように言われるのでした。
このままではそれほど遠くない未来、砂丘桃は歴史の中に埋もれて消滅し、本当の「幻」となってしまう。
強い危機感を抱いた私たちは「100年後の人々にも届ける」ことを決意し、砂丘桃の再生に向けた取り組みを加速させるべく、今回のプロジェクトへと走り出しました。
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みなさまのご支援で実施したいプロジェクト
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新しい桃畑を創ります
- 今回のプロジェクト達成時は、写真の赤い部分について新しい桃畑を創ります。
ぴあパークとうりんぼには、現在2.5haの桃畑があります。主力品種であるあかつきを始めとして白鳳、なつっこ、なつおとめなど全10種類の品種を栽培しています。昨年の収穫量は約4.2トンで、桃の木の成長に伴い年々増加傾向にあります。
造成予定地は約60a(6,000㎡)の面積があり、かつては松林となっていましたが、松食い虫の被害が拡がり、現在は雑草が生えているだけの裸の砂丘地となっています。この範囲の伐根、整地、土壌改良を実施する計画となっています。
新たに桃の木を120本程度定植し、5年後に収穫量2.6トンの増を目指しています。 -
砂丘桃が100年後も特産品であるために今できること
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私たちが目指しているもの
- 刈羽砂丘の桃畑には、かつて越後鉄道の臨時停車場「桃林駅」がありました。車窓から望む、砂丘全体を覆うように咲き乱れる一面の桃の花が大変美しく、連日の花見客で大変賑わったためです。歌舞伎の舞台や休み茶屋が設けられることもありました。大正時代のことです。
時代は移ろい、農業者の減少などの流れには抗えず、刈羽砂丘は雑木が生えるだけの耕作放棄地が広がるようになっていきました。
この「すなやま」をかつてのような「賑わいの場」に変えること、かつてあったものを超えるような「宝の山」に変えることが、私たちの目指している未来です。
春は花見を、夏は収穫を。地域の内外を問わず、多くの人がこの地を訪れて素晴らしい体験をしてほしい。そして、場所や時代を超えて一人でも多くの人々に美味しい砂丘桃を届けたい。
私たちは夢の実現に向けて、一歩ずつでも前に進んでいきたいと思っています。 -
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今、私たちにできること
- 私たちは砂丘桃を100年後の人々にも届けるため、そしてすなやまを宝の山に変えるため、様々な取り組みを行っています。
①販売価格の見直し
刈羽村の砂丘桃は20年近く価格据え置きで販売が続けられてきました。生産者の方々は利益を出すことを重視せず、お客様に喜んでもらいたいという気持ちを強く持っていたからです。その思いは私たちにとっても変わりません。しかし、生業として100年継続していくためには、砂丘桃の生産者になりたいと思ってくれる仲間を増やしていかなければなりません。そのために、私たちは砂丘桃が持っている価値の再検討を行い、適正価格を再定義し、販売価格を見直すことを決めました。
②全数糖度検査
昨年から光センサーによる非破壊糖度検査を始めました。1年目は平均糖度14.9度を記録。より甘く、美味しい桃を皆さんに届けるため、糖度検査を継続していきます。
③加工品開発
昨年は砂丘桃を一次加工し、ピューレを作りました。10月には砂丘桃ソフトクリームとして販売し、大変好評をいただきました。今年の4月17日(日)に開催が予定されている「第33回桃の花見フェスティバル」では、新たにソフトクリームからシェイクにカタチを変え、数量限定で販売を予定しています。
④オンラインショップ開設
ピーチビレッジ刈羽のオンラインショップを開設し、予約販売を実施しました。今後は加工品などを含め、さらなる商品ラインナップの拡充を図っていきます。
⑤子ども向け砂丘桃栽培体験(令和4年から実施予定)
今年4月からとうりんぼ敷地内で砂丘桃の栽培体験学習を開始します。刈羽小学校の生徒さんを対象とした授業のほか、初級~上級ごとにカリキュラムを編成した一般の子ども向けプログラムも実施を予定しています。
⑥スマート農業の導入検討
砂丘傾斜地での機械化には多くの課題があります。しかし、近年のドローンやAIなどの技術の発展により、まったく新しい形での農業の効率化、生産性の向上が期待されています。これら技術イノベーションを積極的に取り入れて、砂丘桃の増産に取り組んでいきます。
⑦砂丘地園芸の調査・研究
砂丘桃が甘くなる理由など、砂丘地での園芸には分かっていないことがまだまだたくさんあります。地球温暖化の進行などにより、刈羽砂丘での最適な桃品種なども変わっていく可能性があります。私たちは栽培方法の改良、最適品種の探索などを継続していくことで、時代に相応しい持続可能な農業を実現していきます。
⑧本クラウドファンディング
私たちの夢の実現には、みなさまのご支援とご協力が必要です。地域の人々、同じ夢を抱いて共に歩んでくれる人々に私たちの夢を届けるため、今回のクラウドファンディングへの挑戦を決めました。 -
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最後になりますが...
- 私たちの100年がかりの挑戦は始まったばかりです。
長い長い道のりになると思いますが、ぴあパークとうりんぼを拠点とし、現在、荒廃地となっている砂丘地の開発を進めていきます。
かつて花見客で賑わった一面の桃畑を復活させ、産業としての農業とグリーンツーリズムの振興を図ります。
さらにスポーツ、ヘルスケア、アウトドアなどの異分野との融合を図り、この地域に新たな価値を生み出します。
みなさんも私たちと一緒に新しい挑戦を始めてみませんか? -
プロジェクトオーナーについて
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- ピーチビレッジ刈羽(株)は、ぴあパークとうりんぼのコンセプトを実現し、地域とともに歩む企業として平成23年に立ち上がった会社です。宿泊施設、温浴施設、お食事処、サッカー場、農業を経営しています。
重要な使命の1つである園芸農業に関しては、特産品である砂丘桃を筆頭に、シャインマスカットや無花果といった果樹栽培のほか、新潟県のブランドいちごである越後姫、トマトのハウス栽培、さつまいも、アスパラガスの露地栽培を行っています。
異なる事業分野を多角的に経営することで、新たな価値を生み出すことに挑戦しています。 -
クレジットカード決済以外のご支援方法をご希望の方へ
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- もし、現金・銀行振込でのご支援をご希望の方がおられましたら、刈羽村宿泊交流センターピーチビレッジフロントにてお支払い又はピーチビレッジ刈羽(株)にご送金をいただければ「支援手続きの代行」をさせて頂きます。
銀行振込をご希望の方は、あらかじめ「お名前」「ご住所」「電話番号」「ご希望のプラン」を弊社までご連絡頂ければと思います。
また、本プロジェクトについてのお問い合わせ等も下記の連絡先まで。
お気軽にお問い合わせくださいませ。
ピーチビレッジ刈羽(株)
飯田 裕樹
〒945-0307 新潟県刈羽郡刈羽村刈羽4286番地2
TEL:0257-31-8600
FAX:0257-31-8660
Mail:h.iida@tourinbo.com