書籍:奇跡の集落〜廃村寸前『限界集落』からの再生

書籍:奇跡の集落〜廃村寸前『限界集落』からの再生
池谷・入山集落が2004年の中越地震での被災をきっかけに、ボランティアの受け入れを行い始めて集落再生の取り組みを行った実話をまとめて農文協から書籍として出版したものです。 第一部は実話編で上記集落再生の物語となっており、第二部はノウハウ編で地域おこしのポイントをまとめています。
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このリターンについて

  • 本書の概要

  • 農業関係の出版社である農文協から2018年に出版されました。

    新潟県十日町市の池谷集落は高度経済成長の流れで急激に人口が減少、中越地震によって6世帯13名になり、誰もが廃村を覚悟しました。しかし、震災ボランティアとの交流を通じて若い移住者が徐々に増え、11世帯23名まで盛り返しています。住民皆で将来ビジョンを掲げて一歩一歩地道な活動を行ない、限界集落を脱却した実話と再生のノウハウをまとめた本です。元地域おこし協力隊で集落への移住者である著者の視点からまとめましたが、地元リーダーである山本浩史さんのロングインビューや住民から聞き取りもふんだんに盛り込まれています。
  • 指出一正さん(『ソトコト』編集長)推薦

  • 「関係人口」のお手本は、多田さんと池谷集落のみなさんにあります!
  • 明治大学の小田切徳美先生の解題より

  • これは、農山村再生という目標から、より高いレベルの都市農村共生構築への挑戦である。多田氏のこうした実践に導かれ、政策的にも、そして研究的にも新たな目標設定が求められているのではないだろうか。そうであれば、本書はその幕開けを宣言する革新の書に他ならない。
  • 新聞書評

  • 読売新聞での書評リンク
  • 西日本新聞での書評リンク
  • 本書の内容

  • はじめに

  • 本書は少子高齢化と過疎化の進む地域で外部との交流人口を増やし、移住者を呼び込みながら、行政・地域住民・よそ者がそれぞれに連携して地域おこしを進めていくための参考になるものとして書きました。 第1部は実話編として、私の住む新潟県十日町市の池谷集落が6世帯13名という廃村寸前の限界集落から11世帯23名にまで盛り返し、限界集落から脱却していく過程を詳しく掘り下げてご紹介します。実際の例を住んでいる地域住民の視点から深くご紹介することで、リアルな農山村の実態をお伝えするとともに、限界集落になぜ外から移住者が来るようになり、復活していったのかをストーリーとして知っていただくことできます。
     第2部はノウハウ編として、限界集落が再生していく際のポイントを整理しました。ポイントは抽象化して他の地域でも応用できるようにまとめてみました。いわゆる全国各地の表面的な成功事例を並べるというものではなく、池谷での経験を元にして、人と人との関わり方や多くの関係者をどのように巻き込むのかといったポイントを整理し、どこの地域でも応用ができるようにと考えて書きました。ポイント整理の部分では、抽象化したポイントの具体例として、第1部の実話編に出て来たことを対応させてイメージを持ってもらいやすい形にしました。これにより、ご自身の地域でもどういうポイントに注意して物事を進めるとよいのかがより考えやすくなればと思います。
     ノウハウ編のポイント整理では、地域おこしの分野で多くの地域の現場に入り込んで研究している明治大学の小田切徳美先生や、震災復興からの地域おこしの現場で数多くの支援を行ってきた中越防災安全推進機構の稲垣文彦さんが体系的にまとめた地域おこしにおけるポイントと、私が都会で経営コンサルタントや組織開発のコーディネーターとして仕事をしていた時に学んだノウハウを活用したものが盛り込まれています(小田切先生、稲垣さんには本書にご寄稿もいただいています)。ですので、私の独りよがりなものではなく、きちんとした研究にも裏打ちされたものだと言えます。ぜひ、立場の異なる人がたくさん関わる際に前向きに物事を進めていくために重要なポイントとして、様々な地域でご活用いただきたいと考えています。
     本書を一つの参考として、全国各地の現場で地域おこしの取り組みが前進していくことを願っています。
  • 目次

  • 第1部 実話編 廃村寸前のむらが限界集落から脱却するまで
     
     プロローグ~賑やかだったムラ
     
     第1章 地震で村が変わった
      中越地震前夜
      村はもうダメかもしれない
      ボランティアってなんだ?
      ボランティアが村の雰囲気を変えた
      村の宝を探そう
      村をなくしたくないんだ
      オラたちの米を売ろう

     【コラム】
      東京で働き続けることへの疑問から移住を決断 福嶋美佳
     
     第2章 集落存続に向けてむらが動いた
      集会所の改修
      むらの計画書をつくる
      米の直販の本格化
      農業研修生の受け入れ
      30年ぶりに盆踊りを復活
      私の池谷集落との出会いと地域おこし協力隊の募集
      集落の5年後を考える
      震災復興支援からの自立
      分校で籾山さんの結婚式を
      移住女子がやって来た

     【コラム】
      「こんな大人になりたい」と思える人たちがいたから 佐藤可奈子

     第3章 集落の灯を絶やさない
      集落の人の離農
      NPO法人化
      被災の経験を活かして
      訃報
      インターンシップ事業開始
      加工品事業に着手
      NPO法人として稲作を受け継ぐ
      池谷分校大同窓会
      集落の3年後を考える会
      農業後継者育成住宅「めぶき」の建設
      インターン生が「めぶき」に住むように
      限界集落から奇跡の集落へ
     
     【コラム】
      池谷に来るまでのすったもんだのこと 多田美紀

     【ロングインタビュー】
      「あきらめ」の気持ちをどう乗り越えたか 
         NPO法人地域おこし代表理事 山本浩史
     
     【聞き書き 池谷の暮らし】
      戦後から中越大震災以前の暮らしとなりわい
      むらの封建的な空気を変えた若先生
      中卒後、夏は農業、冬はあちこちへ出稼ぎに
      養蚕から葉たばこへ
      冬場の仕事
      茅野の工場で寒天づくり
      圃場整備の調整に苦労した
      苦労してお客を開拓したサツマイモの振り売り

     【コラム】
      池谷集落の中核、旧住民の底力 
         NPO法人棚田ネットワ-ク代表 中島峰広

    第2部 ノウハウ編 限界集落再生のポイント

     第1章 イベント単発型でなく、継続的に地域を発展させるには?
      「地域おこし」の長期的なイメージを持つ
      外部の人でもいいから農地を引き継いでほしいという人が集落の多数派になる
      オープンマインドな雰囲気が移住したい気持ちを呼び覚ます
      自分が人生を賭けてもよいと思える信念がある
      行政とのコミュニケーションを円滑にする方法
      守備範囲を決めない
      なかなか話が通じない人とのコミュニケーション
      地域おこしの発展段階に応じた取り組み方
      活動を次世代に継承する観点
      50代以下の人たちが地域のために働ける体制づくりが課題
      地域での子育て環境

     【コラム】
      震災ボランティアから地域サポート人へ、そして地域サポート人が日本を救う
         (公社)中越防災安全推進機構 業務執行理事 稲垣文彦

     第2章 将来ビジョンをつくる際のポイント
      目的・将来像・理念の関係
      まずは個人のビジョンを考えよう
      大勢で集まってワークショップをする場合の留意点
      ビジョンづくりワークショップの進行例-3年後の集落の姿を描く

     【コラム】
      池谷集落から希望の種をもらった
         長野県栄村小滝集落/合同会社小滝プラス代表社員 樋口正幸
     
     第3章 移住者や地域おこし協力隊員をうまく受け入れるために
      移住・定住促進の4ステップ
      行政が先行すると空回りする
      地域がどれだけオープンになっているか
      移住者受け入れの世話役としてのコツ
      地域おこし協力隊の課題
      行政職員が地域おこし協力隊員に対して感じていること
      地域おこし協力隊員が行政職員に対して感じていること
      地域おこし協力隊制度をうまく運用するためには

     【コラム】
      池谷の背中を追いかけて 佐賀県有田町 
         元地域おこし協力隊 佐々木元康
     
     第4章 時代の転換点で今後何を目指すべきか?
      地方の将来は暗いのか?
      東京オリンピック前後の今が時代の転換期になる?
      地方からこそ新しい産業構造が提案できる

     [解題]
      地域再生の実態と理論の最前線-農山村再生から都市農村共生へ-
         明治大学農学部教授 小田切徳美

このプロジェクトの他のリターン

棚田の草刈りを効率化させて次世代に繋ぎたい!

草刈りが非常に大変な棚田を保全するために草刈り機(ツインモア)を導入したいと考えています。 そして、ご協力いただいた方には安心・安全な棚田米をお届け致します。