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はじめに
- ページをご覧いただきましてありがとうございます。NPO法人地域おこし事務局長の多田朋孔(ただともよし)と申します。私は大阪出身ですが、2010年に新潟県十日町市の池谷集落に移り住み、棚田での米作りをしています。
池谷集落は、2004年の中越地震を機に、一時は廃村寸前まで追い込まれましたが、都会の人たちとの交流を通じて集落の存続を目指して活動を行ってきました。私はそんな集落の方々とその活動に惹かれて移り住み、集落の後継者の一人として、若い担い手をさらに受け入れながら棚田保全に取り組んでいます。
現在、若い担い手に徐々に棚田が引き継がれていますが、棚田で米作りをしながら若い子育て世代が十分な収入を得ていくことはとても難易度が高いです。
その理由の一つとして大きいのが草刈りにかかる時間と労力が膨大であるという事です。
今回のプロジェクトを通じて草刈りの効率化を実現できたら、お米の直販といった収入を増やすための取り組みにより時間を割くことができるようになり、経済的に持続可能な農業を実現することが出来ます。
今回のプロジェクトでご支援頂いた方々とは、今後も末長く安心・安全なお米をお届けできるような顔が見える関係が出来ればと考えております。是非応援頂けると嬉しく思います。 -
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プロジェクトを立ち上げた背景
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棚田の草刈りの実情
- 棚田での稲作は平野部の広い田んぼに比べて効率が悪いです。
特に大変なのが草刈りで、棚田を保全する上で一番時間が取られています。
私達が耕作している棚田では、草刈りの時期には早朝5時から同じ箇所を年に3回刈るのですが、草刈りする必要がある田んぼが多く、1巡目を終えると少し休んですぐに2巡目、3巡目に入る必要があり、とても大変です。
棚田の草刈りの様子をYouTubeでアップしている動画をまとめた再生リストがありますので、こちらをご覧頂けるとどれほどの作業量なのかがよく分かると思います。 -
- 具体的な時間数では、2021年の実績ではトータルで591時間22分もかかっています。これは1人当たり1日平均3時間草刈りをしたとして73.9日を草刈りに費やしている事になります。
実に丸々2ヶ月半程度を毎日草刈りをしているペースになります。
土日や祝日を考慮して月20日労働とすると、3ヶ月半以上かかります。 - また、田んぼにつながる農道が長いので、現在集落に住む農家と以前集落に住んでいた方々で集まって農道の草刈りを共同作業で行っています。
他の地域では農道に除草剤を散布しているところもありますが、私達は安心・安全を考えて草刈りを行っています。 -
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- ですが、高齢化により、徐々に草刈りができる人が減っています。
若い農業の後継者も迎え入れながら棚田での耕作を続けていますが、このまま行くと少人数での草刈りを余儀なくされてしまいます。 -
草刈りを少人数で効率化するために
- 今回のプロジェクトでは、草刈りの労力を削減し、少人数でも棚田の保全ができるようにするため、トラクターに取り付けて草が刈れるツインモアーを導入したいと考えています。
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- この機械を活用する事で、農道やトラクターから届く範囲の草刈りが楽に短時間で出来るようになります。
もちろん、全ての草をこの機械で刈ることはできませんが、かなりの省力化につながります。
仮に全体でかかる時間を1/3削減できたとしたら、かかる時間は197時間も削減できます。これは8時間労働換算で24.6日分となり、月20日労働で考えると1ヶ月以上分にもなります。
これだけの時間が削減できれば、棚田保全のために必要な別の取り組みにも時間を使うことができます。
ただし、ツインモアの導入にはお金がかかるため、私達が栽培するお米をリターンとしてクラウドファンディングに取り組みます。
応援してくださる方と直接つながることによって、私達が栽培しているお米をより多くの方に適正な価格でお届けできるようにもなります。 -
リターン紹介
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リターンの品
- ①私達が池谷・入山集落で栽培した魚沼産コシヒカリ山清水米(農薬・化学肥料不使用はざかけ米)
農薬・化学肥料を全く使用せずに栽培し、昔ながらのはざかけで天日干ししたお米
②私達が池谷・入山集落で栽培した魚沼産コシヒカリ山清水米(特別栽培米)
農薬・化学肥料を基準の半分以下だけ使用して栽培し、新潟県の認証を得たお米
③地域おこしの取り組みをまとめて農文協から出版した書籍「奇跡の集落〜廃村寸前『限界集落』からの再生」 -
それぞれの金額
- ①魚沼産コシヒカリ山清水米(農薬・化学肥料不使用はざかけ米)
5kg✕6回 60,000円
5kg 10,000円
②魚沼産コシヒカリ山清水米(特別栽培米)
5kg✕6回 30,000円
10kg 10,000円
5kg 5,000円
2kg 3,000円
2合(300g) 1,000円
③書籍「奇跡の集落〜廃村寸前『限界集落』からの再生」
1冊 4,000円 -
池谷・入山の棚田で栽培した魚沼産コシヒカリ〜山清水米〜のご紹介
- 池谷・入山集落は、全国的に有名な「魚沼産コシヒカリ」の産地です。
直販でご購入いただいているお客様からはとても好評を頂いておりますが、その理由として大きくは以下の3点があります。
①豊かな自然に育まれる
冬になると、3メートル以上雪がつもる池谷・入山集落。春になると解けた水が大地にゆっくり浸透し、ミネラルをたっぷり含んで田んぼに注がれます。 田んぼにはカエルやどじょう、水生昆虫など生き物が沢山棲んでいます。中には絶滅危惧種の生き物もいて、それだけ水のきれいな環境です。初夏にはホタルも飛び交い、そして山地だからこそ、昼夜の寒暖差によりお米の甘味がぎゅっと増します。 -
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②安心・安全を食卓へ
私達はできるだけ安心安全な米作りにこだわっています。
全く農薬も化学肥料も使用しないで天日干ししたはざかけ米と、減農薬で新潟県の認証を得た特別栽培米を作っています。
特別栽培米では、農薬は2回だけ使用しています。
1回目は田植え直前に病害虫の予防のため苗箱に施用する薬で、2回目は田んぼの中の雑草を抑えるための除草剤を使用しています。
通常だと穂が出る時期にカメムシ予防としてヘリやドローンによる防除を行うケースが多いのですが、私達は一切防除は行っていません。
田んぼの畦や農道は草が伸びるとカメムシが発生して稲に被害を与えたり、軽トラや農機具を運転する際に草が邪魔になり、道路と斜面の境目がわかりにくくなって危険になったりするため、除草剤を使って処理している農家も多いですが、私達は農道や畦には除草剤を使用せず、草刈りをしています。 -
- ③精米後直ぐに発送
お米は生き物なので精米後徐々に劣化していきます。私達は玄米のまま保冷庫で低温保存し、独自の精米プラントで精米後すぐに発送しています。 -
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書籍『奇跡の集落〜廃村寸前「限界集落」からの再生』のご紹介
- 農業関係の出版社である農文協から2018年に出版されました。
新潟県十日町市の池谷集落は高度経済成長の流れで急激に人口が減少、中越地震によって6世帯13名になり、誰もが廃村を覚悟しました。しかし、震災ボランティアとの交流を通じて若い移住者が徐々に増え、11世帯23名まで盛り返しています。住民皆で将来ビジョンを掲げて一歩一歩地道な活動を行ない、限界集落を脱却した実話と再生のノウハウをまとめた本です。元地域おこし協力隊で集落への移住者である著者の視点からまとめましたが、地元リーダーである山本浩史さんのロングインビューや住民から聞き取りもふんだんに盛り込まれています。
指出一正さん(『ソトコト』編集長)推薦
「関係人口」のお手本は、多田さんと池谷集落のみなさんにあります!
明治大学の小田切徳美先生の解題より 「これは、農山村再生という目標から、より高いレベルの都市農村共生構築への挑戦である。多田氏のこうした実践に導かれ、政策的にも、そして研究的にも新たな目標設定が求められているのではないだろうか。そうであれば、本書はその幕開けを宣言する革新の書に他ならない。」 -
資金の使途
- 目標金額 2,000,000円
リターン分のお米生産にかかる費用(地代、肥料代、農薬衛生費など※人件費は含まない)とクラウドファンディング手数料 927,968円
差し引き 1,072,032円
ツインモア購入費 1,323,000円
自己資金 250,968円
※目標金額を上回った場合は棚田保全の活動に活用させて頂きます。
【おかげ様で目標を達成しました、ありがとうございました。】
ネクストゴールとして残り2日間で2,200,000円を目標としたいと思います。
理由は、今回の達成により農機具屋さんにツインモアの注文をお願いしたところ、
「メーカーから値上げしますと言われました。」との事でした。
実際にいくら値上げされるのかは、まだ見積もり中のため、不明なのですが、
農機具が大体1割程度値上げされていますので、目標も1割増の2,200,000円としたいと思います。 -
クレジットカード決済以外のご支援方法をご希望の方へ
- もし、現金・銀行振込でのご支援をご希望の方がおられましたら、NPO地域おこしにご送金をいただければ「支援手続きの代行」をさせて頂きます。
銀行振込をご希望の方は、あらかじめ「お名前」「ご住所」「電話番号」「ご希望のプラン」を弊団体までご連絡頂ければと思います。
また、本プロジェクトについてのお問い合わせ等も下記の連絡先まで。
どうぞ、お気軽にお問い合わせくださいませ!
特定非営利活動法人地域おこし
事務局長 多田朋孔
〒949-8613 新潟県十日町市中条庚939-2
TEL:025-761-7009
FAX:025-761-7009
Mail:chiikiokoshi@gmail.com -
実行者紹介
- 私達が棚田の耕作を行っている池谷・入山集落は2004年の中越地震で被災しました。
入山集落は1989年に廃村になっており、通いで棚田の耕作が行われていましたが、震災により田んぼが崩れて数年間作付けできなくなりました。
池谷集落は震災の後、一時は6世帯13名まで人数が減り、廃村寸前にまで追い込まれました。 -
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- ところが、中越地震を機に復興支援で都会からのボランティアの受入を行うようになりました。
最初は半信半疑だった集落の方々もボランティアの人たちとの交流を通じて、徐々によそ者に対してオープンになっていきました。 -
- そして、あきらめから徐々に「もしかしたら・・・」という風に、気持が前向きになりました。
ついには、「集落の存続」を合言葉として、よその人でもいいので若い田んぼに興味がある人に来てもらって棚田の後継者として受け入れる活動が行われるようになりました。
集落の方々の想いに共感した若者が一人また一人と池谷集落に移り住んできました。
震災復興から移住者を受け入れるまでの様子は以下の動画をご覧頂ければと思います。 -
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現在は、NPO法人地域おこしを設立し、移住者を中心に組織的に農業を継承する体制が出来るようになってきています。 -
- 高齢世帯から棚田を引き継いで若い移住者が米作りをしつつ、子育てできるほどの収入を得るために、適正な価格で販売できるよう、お米の直販にも力を入れています。
冬は除雪を農業ができない時の仕事として行っており、お米の直販量を増やすことが出来れば、さらに新たな移住者を受け入れて今後さらに田んぼを引き継いで面積が増える事にも対応できるようになります。
1年間の農作業と除雪の様子は↓こちら↓ -
- 池谷・入山集落の棚田は農林水産省から「つなぐ棚田遺産」にも認定されており、これからも棚田の保全を行い、全国の棚田保全のモデルになれるように活動したいと思います。
そして、自分たちの集落で限界集落の存続の実例を作るとともに、それを全国各地に波及させていきたいと考えています。
以下、本プロジェクトにかける想いを記載しておりますので、長文になりますが、是非お目通し頂けると嬉しいです。 -
本プロジェクトの社会的意義
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農業と他産業の平均時給は?
- 全国的に農家が減っている一番の原因は、農産物を適正な価格で取引できず、採算が合わないため、農業を継続できないからです。
具体的に農業と他産業の時給換算した収入を比較すると、以下のようになります。 -
- 共済・補助金無しの場合、農業での収入を時給換算すると全体平均で一番高い組織法人経営であったとしても1300円未満です。
一方で他産業全体の平均時給は常用雇用とパートタイムを合わせた一般労働者で2528円とほぼ倍になっています。また、上場企業のトップクラスの時給と比べると雲泥の差です。
この計算を詳しく解説した動画をYouTubeにアップしていますので、興味がある方はそちらもご覧頂ければと思います。 -
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農業の後継者の時給を上げて他産業並にしたい!
- 今回のクラウドファンディングを通じてつながった方々に、私達が生産したお米をある程度の価格で直接お届けできれば、若い農業の後継者が子育てをしながら農業を継続していくことができると考えています。
また、得られた資金をより効率良く草刈りが出来るツインモアに投資する事で、生産性も向上し、若い農業後継者の時給単価アップにつながるとも考えています。
採算の合わない棚田での農業を採算の合う形で実施できれば、それを1つのモデルとして他にも広がって行くようにYouTubeなどを通じて広く情報発信をしていきたいと思っています。
そして、農業の収入を他産業並にして農業の後継者問題に一石を投じることができればとも考えております。 -
棚田を保全する意義
- 実は、あまり知られていませんが、棚田にはお米を作る以外にも素晴らしい価値があります。これを農業・農村の多面的機能と言います。
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- 農業・農村の多面的機能とは、例えば、洪水を防ぐ機能であったり、土砂崩れを防ぐ機能、土の流出を防ぐ機能、川の流れを安定させる機能、地下水を作る機能、暑さをやわらげる機能、癒しや安らぎをもたらす機能など、農産物を作る以外にも街中に住む人にも関わる直接的には見えない機能があります。
そして、農業の多面的機能を貨幣評価すると、年間8兆円を超える価値になります。 -
- 中山間地の集落に人がいなくなると、野生動物がどんどん平地に降りてきます。
効率が悪いからといって棚田での耕作をする人がいなくなってしまうと、大雨の際に保水機能が無くなり、土砂崩れや木が根元から流されやすくなり、 平地の方の被害が拡大します。このように実は里山と都市とは密接につながっているのです。
農村の多面的機能を踏まえてなぜ棚田を保全するのか?を語った動画がありますので、ご興味のある方はご覧頂ければと思います。 -
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食料危機に備えて
- 日本では少子高齢化が進み、2008年の1億2808万人をピークに減少に転じ、2050年には1億人を切るという推計結果が出ています。
また、1980年代のバブル期をピークに、日本の経済力は諸外国と比較すると相対的に落ちてきています。
内閣府の資料によると、世界のGDPに占める日本の割合は今後も更に落ちていくと予測されています。 -
- 一方で世界の人口は増え続けています。2011年に70億人を突破した以降も増え、2050年には90億人を超えると試算されています。そして諸外国では、ちょうど日本の高度経済成長期のように途上国から先進国への過渡期を迎えているので、経済力もどんどん上がってきます。
すると、長期的に見て今後も今のように海外から安い食料が手に入るという保証はありません。
実際に円安も進みあらゆるものが値上げされています。
また、ウクライナ危機により、小麦の価格も高騰しています。
本当にいつどんな事が起こるのかがわからない時代になっています。
このような不確定要素が多い時代には、これまでの常識が通用しないことが起こる可能性もあります。
コロナ禍もあり、今は時代の転換期だと言えます。
過去に、時代の転換期には経済をリセットするかのように物価が一気に上がってきました。
江戸時代から明治維新にかけて、10年間でお米の値段は10倍になっています。また、第2次世界大戦が終わる直前の1944年から10年間でお米の値段は200倍以上になっているという事実があります。 -
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- 江戸時代からのお米の値段の変化を詳しく説明した動画がありますので、ご興味がある方はご覧頂ければと思います。
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- これから10年間でまたお米の値段が一気に上るかどうかは全くわかりませんが、生産者と顔の見える関係を作り、食べ物がいつでも手に入れられるようになれば安心感は格段に高まるのではないでしょうか?
- 私達は今回のプロジェクトを通じて、応援頂いた方々と顔が見える関係をつくり、長期的に安心して食べ物をお送りできるような関係づくりが出来ればと考えています。
賛同頂ける方は是非ご協力の程、何卒よろしくお願い致します。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
追記として、食糧危機に備えて棚田を保全する意義についての動画もありますのでご興味がある方はご覧頂ければと思います。 -